COLUMN "HOLIDAY TSUSHIN"

2008.07.31 №014
ヘアダイとは

 いわゆるヘアダイと呼ばれるカラー剤は、現在最も広く浸透していると思いますが、どういう仕組みで髪が染まるのでしょうか?
 日本人の髪は黒髪なので、黒髪の上にそのまま色を染めても色の変化は現れにくいです。そのためまず、黒い髪の毛を脱色(ブリーチ)してトーンを明るくします。そうして色を発色させやすいベースを作るのと同時進行で、色素を毛髪内で発色させて、染毛するのです。
 この際、毛髪内では実に色々な化学反応が起こっています。まず、薬剤の中に入っているアルカリ剤によって、キューティクルの隙間を開かせます。なぜならば、キューティクルが開かないと薬の入り込む隙がないからです。
 そうして作られた隙間を通って薬品が中に入り、まずは黒髪の色素であるメラニン色素を破壊し脱色します。と同時に、カラー剤の色素も毛髪の奥まで入り込みます。この色素は始め分子が小さいのですが、奥に入った所で薬剤の酸化反応を受けて巨大化します。毛髪内で大きくなるので、色素はキューティクルの隙間から出られなくなります。そのお陰で、色素が流出しにくくなり、カラーの定着が良くなるのです。
 こうした様々な反応を同時に起こす事で、ヘアダイは染毛を行います。

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